元気をくれた癌患者さん

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病院看護師ノセカイ

これは、整形外科病棟から個室メインの混合病棟へ異動したときのお話。

わたしは7年目くらいで異動になりました。

異動の通知ってね、
師長さんが知ったあとに、皆に発表するまえに
「〇〇さん、ちょっといい?」って休憩室とかにコソッと呼ばれて
「あなた、来月から〇階病棟へ異動になったから」っていうのがあってから、
カンファレンスとかで皆に伝わっていき、
さらにカンファレンスの内容が描かれた伝言ノートによって
夜勤スタッフにも伝えられていくかんじ。

なのですが。

わたしの場合、夜勤明けのときに師長さんが知ったみたいで、
お昼のカンファレンスのときに
「あーー、そうだ、イムアさん異動が決まったんよ、〇〇階病棟に。
夜勤明けじゃね… 起こすのもなんじゃし、〇〇さんメールしといてや。」
って、わたし本人よりも先に、日勤スタッフにさらっと発表され、

わたしは夜勤明けで、寝ずに用事で遠出していて、笑
仲良しの先輩からのメールで衝撃を受けたのでした。

(師長さ~ん!わたし、ちゃんと電話ほしかったです~って言いました。笑)

整形外科病棟って
骨折など受傷されて、安静もしくは手術をうけたあと
痛みは耐えながら、がんがんリハビリが進んでいく、
ある意味、むごくて騒がしいところ。

年配の方はとくに動いていかないと、拘縮が進んだり体力が落ちるのが早いので
自宅復帰が難しくなることがあるのでね。
看護師は鬼になるのです。

そんなところから、
個室メインの混合病棟。

個室メインってことはね、
・個室じゃなきゃ過ごせない患者さん
・お金を出して個室を希望した患者さん
がほとんど、ってことです。

内科、外科、小児科の患者さんがいる病棟で
慣れてない環境でわたしは頑張っていたわけです。

そのころ、
今の旦那さんとは付き合っていて、
異動したあとから、結婚にむけて話が進み始めたころであり、

旦那さんの実家に挨拶に行くとか、
そんな話も出てきていて、

仕事もだけど、プライベートでもふわふわしてて、
バタバタしてて。

でも、仕事はミスらないようにしなきゃ!
とはいえ、
まったく記憶のないクレームが名指しで来たり。
(人違いだったけど、その電話を受けたのが土日で前病棟の師長さん。
わたしのことを知ってるから、クレームが入っても仕方ないって思ってて、
内容確認せずに、目の前で電話で謝ってた。そんなショックもあったり)

まぁー、いろいろありました。

そんなとき、
外科の患者さんの個室の担当になった日、
病室にノックして入りました。
「失礼しまーーーっす!」

あ!そうだ、ここ、整形外科の大部屋じゃなかった!
声量、間違えた!大きすぎた!!
と思いながら入り、検温などをして、退室。

その後、その患者さんの担当になることなく、数日が過ぎ、
しばらくして、また担当になった日。
「失礼します」とノックして病室に入りました。

いつも通り、検温したり点滴の確認をしたり。


その患者さん、
60代くらいの女性で、癌治療をしていて、
頭髪が少なくなり、ニット帽をかぶっていました。

突然、
「あなた、どうしたの?大丈夫?」
と言われました。

「え!?」ってなるじゃないですか、
わたしは普通にしてるのに。

「まえに来てくれたときは、あんなに元気だったのに。
とても嬉しかったのよ。パワーがあって。」

あぁ、声量間違えて、部屋に入ったからなぁ。
「あのときはすみません、声が大きすぎて。間違えました」
と話したのですが、

なぜか、わたしの背中をさすってくれて
「大丈夫、大丈夫!」って。

異動した不安、
これから結婚へすすんでいく不安、
ちょっとした愚痴を漏らす相手が病棟にいないストレス、

ちょっと泣きそうになりました。

その患者さん、
普段は外科病棟に入院されていて、
個室がいっぱいだったから、そのときだけ混合病棟に入院。

だから、会ったのはそのときだけ。

仲良くなるほどの接点もなく、
でも、わたしは明らかに元気をもらった。

氣を受け取った。

その患者さんの主治医って、
とても前向きで、なんなら何も考えてないような雰囲気で。笑

癌治療を繰り返して、何かしら問題が生じて
入院して治療したら
「じゃ、退院しよっか!」って早めに退院を促す。

え!もう!?ってなるんだけど、
そんな軽い感じが、患者さんにも伝わっていて、
その医師の担当の患者さんは、
ターミナル期の患者さんも、明るい方が多かった。

いつまで、身体を動かせるかわからない、
いつまで、自宅で過ごせるかわからない、
そんな不安定な状況であっても、
可能なら明るく過ごしていたい。

わたしはそう思った。
わたしに、氣を与えてくれた、あの患者さんのように。
わたしの憧れかもしれない。

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